【11月19日 AFP】米オクラホマ州のケビン・スティット(Kevin Stitt)知事は18日、刑執行を4時間後に控えた死刑囚を仮釈放なしの終身刑に減刑した。

 命拾いしたのは黒人のジュリアス・ジョーンズ(Julius Jones)受刑者(41)。殺人罪で有罪となったが無実を訴えており、死刑執行には批判の声が上がっていた。

 スティット氏は「本件の全当事者から提出された資料を入念に再検討した結果、ジュリアス・ジョーンズ死刑囚の刑を仮釈放なしの終身刑に減刑することに決定した」と発表した。

 ジョーンズ受刑者は、白人実業家ポール・ハウエル(Paul Howell)さんを1999年に殺害したとして、2002年に死刑を言い渡されていた。18日午後4時に薬物注射で刑を執行される予定だった。

 ジョーンズ受刑者は、自分はぬれぎぬを着せられたのであり、裁判中には差別を受け、最初の弁護人の弁護も不十分だったなどと主張している。

 この事案はドキュメンタリー番組やポッドキャスト番組で取り上げられており、米タレントのキム・カーダシアン(Kim Kardashian)さんら多くの著名人がジョーンズ受刑者の無実を信じて支援を表明している。

 死刑執行の停止を求める嘆願書には650万筆以上の署名が集まった。17日は州内の児童・生徒数百人が登校を拒否する行動を通じて知事に決断を促そうと試みた。

 オクラホマ州の仮釈放委員会は、ジョーンズ受刑者を終身刑に減刑するよう勧告していた。(c)AFP/Charlotte Plantive and Chris Lefkow