【12月21日 AFP】ドイツで2019年、ロシア・チェチェン(Chechen)共和国の元司令官が暗殺された事件をめぐり、両国が対立している問題で、ロシアは20日、ドイツ人外交官2人を追放すると発表した。

 ベルリンの裁判所は先週、2019年に同市内の公園でジョージア国籍の元チェチェン司令官ゼリムカン・カンゴシュビリ(Zelimkhan Khangoshvili)氏(当時40歳。別名トルニケ・カブタラシュビリ、Tornike Kavtarashvili)を射殺したとして、ロシア国籍のワジム・クラシコフ(Vadim Krasikov)被告(別名ワジム・ソコロフ、Vadim Sokolov)に終身刑の有罪判決を言い渡した。判事はその際、犯行はロシア政府が命じたものであり、政府に敵対する立場を取ったことに対する「報復」だったと断定。ドイツ政府は、ロシア人外交官2人を国外追放すると表明していた。

 ロシア外務省はこれを受け、「対称的な対応」として、在ロシア・ドイツ大使館の外交官2人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定したと発表。ただし、ドイツ人外交官の出国期限には言及しなかった。

 ロシア外務省は、ドイツ大使に対し、ロシア人外交官追放への「断固とした抗議」の意を伝えたと説明。元チェチェン司令官の殺害にロシア政府が関与したとの主張については、「事実無根で現実とかけ離れた」ものであるとして、全面的に否定した。(c)AFP