【12月11日 AFP】フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサ(Maria Ressa)氏と共同で今年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を受賞したロシアの独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)のドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)編集長は10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた授賞式での演説で、殉職したジャーナリストたちを追悼する1分間の黙とうを呼び掛けた。

 ムラトフ氏は「ジャーナリストが長生きできるよう望む」と演説。「ロシアのジャーナリズムは暗黒時代を迎えている」と訴え、100以上の報道関係者や報道機関、人権保護団体やNGOが最近、同国の司法省によって「外国代理人」に指定されたことを指摘した。「外国代理人」は、海外からの資金援助を受けて何らかの「政治活動」を行っている個人や団体を指す。

 ロシア南部チェチェン(Chechnya)共和国における汚職や人権侵害をめぐる調査報道が高く評価されているノーバヤ・ガゼータでは、2006年に殺害された著名な調査報道記者アンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)氏をはじめ、1990年代以降6人の記者が死亡している。(c)AFP/Pierre-Henry DESHAYES