【12月18日 AFP】テニスのエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)は17日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで準決勝が行われ、8月以来の実戦復帰となったラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)はアンディ・マレー(Andy Murray、英国)に3-6、5-7で敗れた。しかし、元世界1位同士のハイレベルな試合に「前向きなスタート」と、手応えを口にした。

 足のけがでウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)と全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)の欠場を余儀なくされ、この半年で2試合のプレーにとどまっていたナダルは、今大会で8月以来の実戦に臨んだ。

 通算20度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇るナダルは試合後、「いろいろと調整はうまくいったと思っている。もちろん、長らくプレーしていなかったので、本格的なシーズンに備えて体を回復させていく必要がある。」とし、「ここで、もっとじっくり考えていかなければならない。さもなければ、正しい決断を下す時間の余裕はなくなるからね」と話した。

 さらに、2016年以来久しぶりとなったマレーとの一戦については「全体的には前向きな試合になった。第2セットはものにするチャンスもあった」と振り返り、「とにかく前向きなスタートになった。数週間前に思っていたよりも良いプレーができた」と満足した様子を見せた。

 ナダルはまた、実戦練習は2週間前に初めたばかりだったと明かし、「(スペインの地元)マヨルカ(Mallorca)島での5か月間は、こうした実戦形式のプレーは何もしなかった。ただエクササイズしたり、コントロールできる範囲で何かをやってみたりして、足の正常な回復に努めていた」と語った。

 一方、マレーは同胞のダニエル・エヴァンス(Daniel Evans)を下した前日に続いて勝利を収め、今大会での連勝を2に伸ばしたことを喜んだ。特にこの日のナダル戦では、サーブが好調だったほか、金属の器具が埋め込まれている腰もよく動いており、そうした好材料を合わせて力強いパフォーマンスを披露した。

 マレーについてはナダルも「彼はプレーが好調な様子だった」と話し、「昨年もいくつか良いプレーを見せていたと思うし、制限されることも減ってきてプレーできる機会が増えているようだ。動きもとても良かった」と評価した。

 ナダルは今月下旬にオーストラリアへ渡航し、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)の前哨戦としてATP 250の大会に出場する予定となっている。(c)AFP/Reem ABULLEIL