【12月17日 AFP】けがで長期にわたって戦線を離脱していた男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は16日、復帰戦となるムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)で結果を出せるとはそれほど期待していないものの、来月に迫った全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2022)への意欲は失っていない。

 通算20度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇るナダルは、ここ半年間にわたって足のけがに悩まされ、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)と全米オープン(US Open Tennis Championships 2021)の欠場を余儀なくされた。

 アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われるエキシビション大会は、ナダルにとって4か月ぶりの実戦復帰となっており、17日には同じ元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)との対戦が決まった。

 前回大会の覇者として2試合のプレーが確約されている今大会で、足の回復具合を見定めることにしているナダルは「痛みは関係ない。キャリアを通じて痛みは何度も経験しているし、それはいつものことだ。それよりも、痛みを伴いながら良い試合ができるチャンスをつかむことだ」と報道陣に語った。

 さらに、試合でそれを試してみる必要があると話しつつ、「復帰は簡単ではないと分かっている。今は大きな期待は抱いていない」とし、「心から期待しているのは、足の状態が自分が望む状態やレベルに向けて、どんどん良くなっていくことだ」と続けた。

 35歳のナダルはここまで「つらい時期」を過ごしてきたとしながらも、けがや長期の欠場には慣れていると話し、さらに実績を積み重ねていく情熱を持っていると強調。スペインの地元マヨルカ(Mallorca)島では懸命に練習をこなし、新コーチとして2016年リオデジャネイロ五輪のダブルスで一緒に金メダルを獲得したマルク・ロペス(Marc Lopez)を迎えた。

「地元では最高の仕事ができた。正しい姿勢と熱意で練習を行い、フィットネスのトレーニングもたくさんこなせた。だから、足の状態が許す限りこれらのことができれば、何が起きるか分からない」

「順調にいったとしても、全豪オープンの前にプレーするのは1大会とここでの2試合だけだ。全豪オープンのようにタフで大きな仕事を要求される大会の前に、実戦のコートで費やす時間としてはそれほど多くはないだろう」

「だけど、優先事項はいつも通り同じで、健康でいることだ。健康でいる限り、前進して目標に向けて戦うための心の炎は持ち続けている」 (c)AFP/Reem ABULLEIL