【12月18日 AFP】英イングランド中部のノースシュロップシャー(North Shropshire)選挙区で16日行われた下院補欠選挙で、与党・保守党が同選挙区で初となる敗北を喫した。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は17日、「個人的な責任を取る」と表明。ここ数週間にわたり複数のスキャンダルに見舞われてきた首相の指導力に疑問が投げ掛けられている。

 保守党はわずか2年前の選挙で、同選挙区の議席を圧倒的な得票数で確保していた。だが、空席になった議席をめぐる今回の補欠選挙では、野党・自由民主党に対して歴史的な敗北を喫した。

 英政府では17日、新型コロナウイルス感染者が新たに9万3000人以上確認され、新規感染者は3日連続で過去最多を更新。感染者の急増が医療機関に与える影響への懸念が高まっている。

 窮地に立たされたジョンソン氏はテレビ局のインタビューに対し、補欠選での敗北を「極めて遺憾に思う」と述べ、「個人的な責任を取る」と言明した。

 今回の敗北を受け、保守党議員の間では首相に対する反発がさらに強まるとみられる。英議会では14日、大規模イベントでワクチン接種証明提示を義務付ける政府の規制強化案の採決で、保守党議員約100人が造反し、反対票を投じた。

 またここ数週間にわたり、政権内での汚職疑惑や、昨年のクリスマスに首相官邸職員がコロナ対策の規則を破ってパーティーを開いていたとの報道が相次ぎ、ジョンソン氏は度重なる苦境に陥っている。新型ウイルス変異株「オミクロン株」の感染者急増も、その窮状に追い打ちをかける形となった。(c)AFP/Joe JACKSON