【12月9日 AFP】英国で、新型コロナウイルス対策として社交行事が禁止されていた昨年、首相官邸でのクリスマスパーティーについて高官同士が冗談を言う映像が流出したことを受け、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は8日、謝罪するとともに、調査を行うと表明した。同日には映像流出を受け、ジョンソン氏の側近が辞任した。

 英メディアは先週、首相官邸で昨年12月18日夜に職員数十人がパーティーを開いていたと報道。ジョンソン政権は以降、この疑惑を否定してきたが、今回流出した映像には、当時報道官を務めていた元政治ジャーナリストのアレグラ・ストラットン(Allegra Stratton)氏が、記者会見の準備中に「架空のパーティー」について冗談めかしてコメントしている様子が映っていた。

 議会の質疑応答で一部の野党議員から辞任を求められたジョンソン氏は、調査で規則違反が見つかった場合には「懲戒処分」を行うと宣言。ロックダウン(都市封鎖)措置を軽視したような官邸職員に対する国民の怒りに理解と共感を示し、「不快な思いをさせてしまったことを心から謝罪する」と述べた。また官邸でパーティーは行われず、規則違反はなかったことを「何度も保証された」と説明した。

 ジョンソン氏の顧問を務めるストラットン氏は、直ちに辞表を提出。涙ぐみながら、自身の発言は規則を軽視しているようだったと認め、「この発言を一生後悔する」と述べた。また、人々が抱いた怒りや不満は理解するとしながらも、パーティーが実際に開催されたかどうかは明らかにしなかった。(c)AFP/Joe JACKSON