【12月17日 AFP】南アフリカの保健当局は17日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」により全国的に感染率が急上昇しているが、これまでの流行の波と比較して、死者や入院治療を必要とする患者は少ないと発表した。

 国立感染症研究所(NICD)の公衆衛生責任者ミシェル・グルーム(Michelle Groome)氏によると、オミクロン株の急速な広がりを受け、15日には1日の新規感染者数が過去最多の2万6976人を記録した。

 ただ、グルーム氏は「入院者数はそれほど劇的に増えてはいない」と説明。死者数の増加も比較的少ないと述べた。

 同じくNICDのワシラ・ジャサット(Waasila Jassat)氏は、酸素が必要となる患者の数は「これまでのどの波と比較しても少ない」「入院期間も短いようだ」と語った。

 こうしたデータについてジョー・ファーラ(Joe Phaahla)保健相は、オミクロン株の毒性が低いというよりも、ワクチンが重症化を防いでいることを意味すると指摘した。南アフリカのワクチン接種率は約31%にとどまっているが、60歳以上では66%に上っている。(c)AFP