【12月17日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は16日、18歳以上に接種する新型コロナウイルスワクチンについて、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製よりも、米ファイザー(Pfizer)、米モデルナ(Moderna)両社製のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンを推奨する諮問委の勧告を承認した。勧告はJ&Jのワクチンの方が効果が低く、リスクは高いとしている。

 CDCが公表したデータによると、12月9日までにJ&J製ワクチンは約1600万回接種され、少なくとも9人が血小板減少症を伴う血栓症(TTS)で死亡した。

 8月31日時点で54人が発症し、36人は集中治療を必要とした。まひなどの後遺症が長期にわたって残る患者もいた。

 最もリスクが高かったのは30~49歳の女性で、TTSの発症率は10万人当たり1人ほどだった。

 死者9人のうち2人は男性だった。実際の死者数はこれよりも多い可能性がある。

 全体では、TTSを発症した人の7人に1人が死亡した。J&J製と同じウイルスベクター(運び屋)技術を使用する英アストラゼネカ(AstraZeneca)製ワクチンも、同様の症例との関連が指摘されている。

 CDCは、ファイザー製とモデルナ製のワクチンにも特に若い男性でごくまれに心筋炎や心膜炎などが起きるリスクがあるが、いずれも致命的ではないと指摘。効果もJ&J製よりはるかに高いとした。(c)AFP/Issam AHMED