【12月15日 AFP】サッカースペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)で、ユースチームの監督などを務めたアルベルト・ベナイジェス(Albert Benaiges)氏(71)が、性的虐待の疑いで捜査を受けていることが分かった。スペイン警察が14日に発表した。

 地元カタルーニャ(Catalonia)の新聞「ARA」が10日に報じたところでは、ベナイジェス氏が体育教師を務めていたバルセロナ(Barcelona)の公立校の卒業生から、同氏による性的虐待を受けた、もしくは虐待を目撃したとの届け出が60件以上あった。それによれば、ベナイジェス氏は子どもにわいせつな映像を見せる、下半身を露出する、子どもの体に触る、クラスメートの前で裸にさせるなどしていたという。ARAの取材に対して、ベナイジェス氏は疑惑を否定している。

 またベナイジェス氏は、バルセロナの名高い育成組織「ラ・マシア(La Masia)」がアンドレス・イニエスタ(Andres Iniesta)ら黄金期を支えた選手たちを輩出した1991年から2011年にかけて、ユースに深く携わっていた。

 その後はメキシコやアラブ首長国連邦(UAE)、ドミニカ共和国など海外で仕事をし、今年3月にジョアン・ラポルタ(Joan Laporta)会長が復帰すると、自身もバルセロナに戻っていたが、今月初めにクラブを離れていた。ARAによれば、バルセロナと同氏がたもとを分かったのは、クラブが疑惑を把握した翌日だという。

 バルセロナの選手や元選手からは、性的被害を受けたとの告発は出されていない。

 バルセロナのトップチームの指揮官で、ユース時代にはベナイジェス氏の指導を受けたシャビ・エルナンデス(Xavi Hernandez)監督は、週末のオサスナ(CA Osasuna)戦の前日会見で、告発に「驚き、ショックを受けている」と明かし、「私は何の疑いも持っていなかった」と話していた。(c)AFP