【12月10日 AFP】今年のツール・ド・フランス(2021 Tour de France)で、数十人の選手が負傷した大会史上最悪規模のクラッシュを引き起こした観客のフランス人の女(31)に対し、仏西部ブレスト(Brest)の裁判所は9日、罰金1200ユーロ(約15万円)を言い渡した。

 被告はさらに、私訴原告の立場で当事者として裁判に参加した仏自転車選手協会(UNCP)に対し、1ユーロ(約130円)の形式的賠償金を支払うよう命じられた。

 裁判で検察側は、人命を危険にさらした罪や、過失傷害の罪で、執行猶予付き禁錮4月を求刑。一方で、被告が自分の行為について「いかに危険だったか」を認識し、反省の意を表明していることも認めていた。

 被告に前科はなく、公判では自分の「愚かさ」を恥じていると陳述していた。

 事故は6月26日のツール・ド・フランス初日に発生した。被告が手に持ったプラカードをテレビカメラに映そうと、狭い道を疾走する選手たちの前に身を乗り出したところ、選手の一人と接触。選手は転倒し、数十人の後続選手が巻き込まれた。

 被告は事故後、インターネット上で相次ぐ中傷を受けており、身元は公表されていない。(c)AFP