【12月9日 AFP】来年のフランス大統領選に向けて、右派の共和党の候補に選出されたバレリー・ペクレス(Valerie Pecresse)氏(54)の支持率が急上昇したことが、7日に公表された二つの世論調査の結果で明らかになった。うち一つでは、現職のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領(43)が敗北する可能性が初めて示された。

 フランス初の女性大統領を目指し、4回のテレビ討論会で強い存在感を見せていたペクレス氏は4日、党員投票で共和党の大統領候補に選出された。

 調査会社エラブ(Elabe)が7日夜に公表した世論調査結果では、来年4月の第1回投票でマクロン氏に投票すると答えた人は23%、ペクレス氏は20%で、マクロン氏が優勢だった一方、マクロン氏とペクレス氏が決選投票に進んだ場合は48%対52%となり、ペクレス氏が勝利する可能性が示された。

 選挙戦が本格化して以降、マクロン氏の敗北を示唆する世論調査結果が出たのは初めて。以前はマクロン氏の最大のライバルと目されていた極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏にとっても、ペクレス氏が脅威になることが示された。
 
 極右勢力では、9月に政界の表舞台へ躍り出た政治評論家で作家のエリック・ゼムール(Eric Zemmour)氏が一部の世論調査でルペン氏をしのぐ勢いを示していたが、最近の世論調査では失速している。

 マクロン大統領は、まだ正式な出馬表明はしていないが、再選に向けて立候補するとみられている。

 ペクレス氏は現在、首都パリを含むイルドフランス(Ile-de-France)地域圏の知事を務めている。過去には自身をドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前首相と英国のマーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元首相を組み合わせたような人物だと表現したことがある。(c)AFP