【12月8日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は7日、2時間以上にわたりオンラインで会談した。バイデン氏はプーチン氏に対し、ウクライナ国境に集結しているロシア軍部隊が攻撃を実行した場合、西側諸国は「強い」経済措置に出ると警告した。

 ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)は、会談の短い動画を公開。プーチン氏が「こんにちは、大統領」とあいさつすると、バイデン氏は「お目にかかれて良かった」と応じ、次回は対面で会談したいと語った。だが、和やかな開始とは裏腹に、2時間を超える会談は緊張感に包まれた。

 ホワイトハウス(White House)の発表によると、バイデン氏は会談で、ウクライナ周辺でのロシア部隊集結に対する欧米諸国の「深い懸念」を表明。ロシアが軍事行動に出た場合には「強い経済措置やその他の措置で応じる」とし、ウクライナの主権と領土保全に対する支持を強調した上で、緊張緩和と外交への回帰を呼び掛けた。

 ロシアはウクライナ侵攻計画を否定しているが、衛星写真では両国の国境に大規模な軍隊が集中している様子が見られ、欧州での戦争勃発の懸念が高まっている。

 バイデン氏がホワイトハウスの緊急対応室(Situation Room)から会談に臨んだことも、緊迫した状況を反映している。3週間前に中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と開いたオンライン会談は、より華やかなルーズベルト・ルーム(Roosevelt Room)で行われ、冒頭は報道陣に公開されていた。

 バイデン氏はプーチン氏との会談前日の6日、英国、フランス、ドイツ、イタリアの首脳と協議し、会談で伝えるべき内容を調整していた。ホワイトハウスによると、会談後には4か国の首脳と再度協議する予定。(c)AFP/Sebastian Smith with Anna Smolchenko in Moscow