【12月15日 AFP】中東エルサレム(Jerusalem)の緑地に生息するマウンテンガゼルは、2〜3年前にはわずか3頭だった。緑地は年々減少し、大半のマウンテンガゼルが捕食動物の餌食か、交通事故や都市開発の犠牲になっていた。

 だが今、群れの個体数は約80頭にまで増え、エルサレム市内の小さな自然保護区、ガゼルバレー公園(Gazelle Valley Park)を自由に歩き回っている。

 この緑のオアシスは6年前、エルサレム市議会とイスラエル自然保護協会(SPNI)が創設した。市内で最も都市開発が進んだ地域の一つに位置するが、イスラエルでは唯一、ガゼルが保護下で生息している公園で、入場は無料だ。

 国際自然保護連合(IUCN)は2017年、絶滅の恐れのある野生生物をまとめた「レッドリスト(Red List)」で、マウンテンガゼルを絶滅の危険が高い「危機(EN)」に分類した。密猟、交通事故、生息地の環境悪化などにより個体数が減少しているからだ。

「ガゼルをできるだけ自然な環境に置いています」と公園管理者のヤエル・ハマーマンソーラー(Yael Hammerman-Solar)氏は語った。「そうすれば人間の手を借りずに育ち、将来、何頭かは野生に戻せるでしょう」