【12月6日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)は5日、2-3で敗れた前日のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)戦を担当した主審について物議を醸す発言をし、リーグ側から処分と法的措置を検討されているMFジュード・ベリンガム(Jude Bellingham)を擁護すると表明した。

 ドルトムントのミヒャエル・ツォルク(Michael Zorc)スポーティング・ディレクター(SD)は、独スポーツ通信社SIDに「この少年は18歳で、発言があったのは白熱した感情的な試合の後。われわれは彼を擁護する」とコメントした。

 4日の試合で主審を務めたフェリックス・ツバイヤー(Felix Zwayer)氏がドイツ史上最悪の八百長スキャンダルに関わっていたことを考えると、大きな犠牲を強いられるジャッジも当然だと主張したベリンガムは、同国サッカー連盟(DFB)から処分を受ける恐れがある。

 イングランド代表のベリンガムは天王山となったこの一戦の後半、ドルトムント側にPKが与えられなかったことに激怒していた。ツバイヤー氏はその直後、ドルトムントのペナルティーエリア内でハンドがあったとして笛を吹き、結局はロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)のPKが決勝点となった。

 ベリンガムは北欧の動画配信サービス「ビアプレー(Viaplay)」に、「試合中のあらゆる判定について調べることができる。ドイツ最大のビッグマッチに八百長をした審判を任命するなんて、期待したって無理だ」と話していた。

 ベリンガムが言及したのは、元審判のロベルト・ホイツァー(Robert Hoyzer)氏が関与したスキャンダルで疑われているツバイヤー氏の副審としての役割だった。

 クロアチアのマフィアから金を受け取る見返りに、反則がなかったにもかかわらずPKを与えるなどしてドイツカップ(German Cup)や下部リーグの試合結果に影響を及ぼしたと告白したホイツァー氏は禁錮刑を科された。

 一方、当時23歳だったツバイヤー氏は、ホイツァー氏が何をしているか知っていたものの沈黙し、300ユーロ(約3万8000円)を受け取ったとして6か月の職務停止処分を受けた。

 八百長への決定的なつながりがいまだに証明されていないツバイヤー氏は、終始潔白の主張を貫いている。

 DFBはこれまで、中傷的と考えられる発言や攻撃的だと判断した非難に審判がさらされることを快く思っておらず、仮にベリンガムに処分が下るのであればその内容は厳しいものになる可能性がある。(c)AFP