【12月3日 AFP】挑発的な作風で知られる英国の覆面アーティスト、バンクシー(Banksy)の複製画を本物と同じような環境で観賞できる展覧会「バンクシーの世界(World of Banksy)」が3日、イタリアのミラノ(Milan)中央駅で開幕する。

 展覧会の目的は、ごく少数の友人しか正体を知らないとされるバンクシーの作品を多くの人に見てもらうことだ。

 展覧会のキュレーターを務めるマヌ・デロス(Manu De Ros)氏は「彼の作品のほとんどは壊されたり、塗りつぶされたり、盗まれたり、売られたりして、一般の人が直接見ることができなくなっている」とAFPに説明した。

 若いグラフィティアーティストや学生が壁画やシルクスクリーンなど130点以上を制作。「バンクシーが絵を描いた壁、レンガ、コンクリート、道路のしみ、汚れまで再現した」とデロス氏は言う。

 会場は仕切られていて入場にはチケットが必要だが、駅の音が聞こえてくる中で、本物が描かれたストリートの雰囲気を味わえる。

 デロス氏は、毎日大勢の人が駅を利用しているが、何人かでも立ち寄り、想像を膨らませてくれれば、と話す。

 さて、バンクシー本人はどう思うだろうか?

「バンクシーは基本的に自分が企画した展覧会以外は認めないが、禁止もしない。私たちを止めることはない」とデロス氏。「おかげで私たちは、少々おこがましいかもしれないが、自分たちの仕事が評価されていると考えることができる。この展覧会によってバンクシーも、メッセージをより広く伝えることができる」

 会期は来年2月27日まで。(c)AFP