【12月2日 AFP】絶滅の恐れがあるミナミシロサイ30頭が11月29日、南アフリカからルワンダにボーイング(Boeing)747型機のチャーター便で到着した。環境保護団体が発表した。1回に移送された数としては過去最多だという。

 移送は、密猟により個体数が大幅に減少したシロサイの保護プログラムの一環。南アフリカのフィンダ私営保護区(Phinda Private Game Reserve)からルワンダ東部のアカゲラ国立公園(Akagera National Park)に移された。移動時間は40時間、移動距離は約3400キロに上った。

 シロサイはかつてサハラ以南のアフリカ全域に多数生息していたが、欧州からの入植者による狩猟に加え、密猟の横行で絶滅寸前となっている。

 移送に関与した環境保護を目的とする慈善団体アフリカンパークス(African Parks)は、ヘンリー英王子(Prince Harry)が代表を務めている。

 アフリカンパークスのピーター・ファーンヘッド(Peter Fearnhead)最高経営責任者(CEO)は「シロサイのストレスを軽減するため、鎮静剤を使う必要があった」と話した。

 シロサイはアカゲラ国立公園到着後、それぞれサッカー場ほどの広さのある草原2か所に入れられた。当局によると今後、国立公園内の広い地域に放される予定。

 ミナミシロサイはシロサイの亜種で、体重2トンにまで成長する。世界自然保護基金(WWF)によると生息数は2万頭余り。国際自然保護連合(IUCN)はミナミシロサイを準絶滅危惧種(NT)に指定している。(c)AFP