【12月1日 AFP】ロシアと国境を接する中国北部・内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)満州里(Manzhouli)市は1日、新型コロナウイルスの集団感染の懸念から、石炭や材木などの鉄道輸入を停止した。

 対象となるのは、人による荷の積み降ろしが必要となるコンテナに入っていない製品で、木材や石炭、鉱物粉末、化学肥料が含まれる。

 当局は目的について、貿易拠点における感染拡大の「防止・抑制の強化」と「輸入品から感染が広がるのを効率的に阻止する」ためだとしている。

 保健当局によると、満州里とその近郊で新たに91人の感染が確認されたのを受け、局所的ロックダウン(都市封鎖)と移動制限が導入された。ここ数日で数十人の感染者が出ていた。

 満州里は人口23万1000人。中国とロシアとの貿易の65%以上が同市を経由している。

 中国では、厳格な排出量削減目標と化石燃料価格の高騰により電力不足となり、工場が操業停止となる事態が発生。このためここ数か月は、火力発電の燃料となる石炭の生産を増加せざるを得なくなっていた。

 中国政府は2019年末に中部・武漢(Wuhan)で新型ウイルスが確認されて以来、感染者ゼロを目指す「ゼロコロナ」政策を掲げ、局所的ロックダウンや国境封鎖、集団検査などで流行を抑えてきた。

 最新の感染者には、木材産業で働く人や荷の積み降ろしの作業員も含まれている。

 政府は最近の市中感染について、輸入品やコールドチェーン製品に付着したウイルスが原因だとしている。

 国家衛生健康委員会(NHC)の米鋒(Mi Feng)報道官は今週、「11月以降、国内の新規感染者は国境や港湾都市に集中している」と話していた。(c)AFP