【12月3日 AFP】仏当局は、父親のフランス人男性から2人の子どもを引き離したとされる母親の日本人女性に対し、逮捕状を出した。

 この男性は、日本在住のバンサン・フィショ(Vincent Fichot)氏。母親によって2018年に連れ去られたとする息子と娘との再会を求める活動で国際的な注目を集め、日本の「実子誘拐」についての議論を再燃させていた。

 関係者によると、仏当局は親による子ども誘拐と未成年者を危険にさらした疑いで、女性の国際逮捕状を出した。フランス大使館はこの件についてのコメントを控えた。

 AFPの取材に応じた女性の代理人弁護士は、逮捕状についてのコメントを避けた上で、離婚手続きが進行中であり、法廷外で争う意向はないと語った。

 日本の法律には、両親が離婚あるいは別居した場合の共同親権の規定がない。一方の親がもう片方の親に子どもを面会させない問題について、当局は目をつむっていると批判されてきた。

 フィショ氏は今夏の東京五輪期間中、この問題への注目を集めるため3週間のハンガーストライキを実行。同じような立場の外国人や日本人の親からも支持を受けていると語っている。

 公式な統計は存在しないが、人権団体によると、日本では毎年約15万人の未成年者が片方の親と強制的に引き離されていると推定されている。

 五輪に出席するために来日したエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、フィショ氏の件を日本政府に提起していた。フィショ氏はまた、他の親たちと共に日本を相手取り、国連人権理事会(UN Human Rights Council)に申し立てを行っている。(c)AFP