【7月11日 AFP】わが子を日本人妻に「誘拐された」と訴える在日フランス人男性が10日、東京都内でハンガーストライキを開始した。男性は、子供たちと再会するための自身の闘いに国際的な関心が集まってほしいと願っている。

 ハンストに入ったのはバンサン・フィショ(Vincent Fichot)氏(39)。駅の改札前で座り込みを続けるフィショ氏は「すべてをささげてきた。この3年間で仕事も、家も、貯金も失った」と語る。

 日本在住歴15年のフィショ氏は息子(6)と娘(4)が戻ってくるまでハンストをやめないと述べ、再会がかなわなければ「フランス当局が真剣に、私の子供たちを守る意向であることを示してほしい。そして、日本が子供の権利保護に同意しない場合には、日本に制裁を科す方針を示してほしい」と訴えた。

 フィショ氏によると、妻は裁判でフィショ氏からドメスティックバイオレンス(DV)を受けたと訴えたが、後にその主張を「撤回」。日本の司法から非難されるべきものは何もないと話す。

「あらゆる手を尽くしてきた、子供たちにとって良くないことだと妻を説得しようともした」

「今は子供たちが生きているかどうかも分からない」

 日本では、両親が離婚、あるいは別居した場合の共同親権は法的に認められていない。また、片方の親が他方の親の同意なく子を連れ去ることはよくあり、公式な統計はないが、人権団体の推計によると毎年約15万人の未成年者が強制的にどちらかの親から引き離されている。

 その中には、フィショ氏の子供たちのように国際結婚した両親の子も含まれる。日本の当局とのやり取りで障害に直面したフィショ氏は現在、フランス政府と国際機関に救済を求めている。

 フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は今月下旬、東京五輪の開会式に出席するため来日する。マクロン氏は前回来日時、日本で実子と引き離されたフランス人を支援すると表明し、「この苦境はまったく受け入れられない」と非難した。(c)AFP