【12月1日 AFP】日本政府は11月30日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内で初めて確認されたと発表した。オミクロン株の急速な拡大を受け、世界保健機関(WHO)は各国に対し、冷静かつ「理性的」な対応を呼び掛けた。

 感染が確認されたのはナミビアから入国した30代の男性で、空港検疫で陽性反応が出た。現在は医療施設に隔離されている。日本は全入国者に対して渡航前と着陸時の検査を義務付けている。

 政府は前日の29日、すべての外国人の新規入国を原則禁止すると発表。8日にはビジネス目的や留学生の入国を緩和していたが、わずか3週間で規制を再び強化した形となった。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は30日、「全加盟国に対し、理性的で均衡のとれたリスク低減策を講じるように求める」と表明。「世界の対応は冷静で、協調性があり、首尾一貫したものでなければならない」と訴えた。

 1週間前にアフリカ南部で初めてWHOに報告されたオミクロン株は、各国へ急速に広まり、数十か国が渡航制限を発表。WHOはこうした措置に対し、新たな変異株が最初に検出された国からの渡航を禁じるのは不公平であり、新変異株の監視を思いとどまらせることにつながると指摘している。

 テドロス氏はボツワナと南アフリカがオミクロン株を非常に迅速に検出、解析、報告したことに感謝し、「これらの国が、正しい行動をしたために他国から罰せられるのは、深く憂慮すべきことだ」と述べた。(c)AFP