【11月30日 AFP】米製薬大手モデルナ(Moderna)のステファン・バンセル(Stephane Bancel)最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスワクチンの新たな変異株「オミクロン株」について、既存のワクチンでは効果が弱く、有効なワクチンを開発するには何か月もかかるとみていることが、英紙が30日に掲載したインタビューで明らかになった。

 バンセルCEOは、フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に対し、オミクロン株に対する既存ワクチンの有効性に関するデータは2週間以内に判明するとの見通しを示した一方で、研究者らは楽観しておらず「私が話を聞いた研究者は皆、『良くはならないようだ』という感触だった」と語った。

 バンセル氏によると、オミクロン株で見つかった50の変異のうち32が、ワクチンによる免疫力の向上に関わるスパイクタンパク質の変異であることを、研究者らが憂慮しているという。

 同氏は、オミクロン株に対する既存ワクチンの有効性に「大幅な低下」が認められるだろうと述べた。

 モデルナと米製薬大手ファイザー(Pfizer)は、オミクロン株に特化したワクチンの開発を進めていると発表している。

 バンセル氏は、来年には自社から20億〜30億回分のワクチン供給が可能としながらも、他の変異株も依然拡散していることから、全生産分をオミクロン株用ワクチンに切り替えるのは危険だとの見方を示した。(c)AFP