【11月30日 CNS】中国の北京市、遼寧省(Liaoning)、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)などで、宅配物から新型コロナウイルスが検出されている。11月11日を中心に行われた中国最大のECセール「双11(ダブルイレブン)」で注文された商品の配達ピークを迎える中、関連部門が感染対策を徹底している。

 北京市海淀区(Haidian)疾病管理予防センターは11月15日、科源(Keyuan)地区の住民が受け取った宅配物からウイルスが検出されたと確認。荷物は内モンゴル自治区シリンゴル盟(Xilingol)から送られたウールのセーターだった。内モンゴル自治区では今月7日、錫林浩特市(シリンホト、Xilin hot)の民族衣料品店がモンゴルから購入した商品の一部からウイルスが検出されている。

 遼寧省阜新市(Fuxin)でも宅配便からウイルスが見つかり、阜新市のコロナ予防管理本部は「当面の間、海外または国内の中高リスク地域からオンラインで商品を購入しないように」と市民に喚起した。

 中国疾病管理予防センターで消毒部門の主任専門家を務める張流波(Zhang Liubo)氏は国務院の記者会見で、「宅配物の配送過程ですでにウイルスが付着し、荷物を受け取った時にもウイルスが生きており、受け取った人に波及するという3つの条件を満たして、初めて感染する恐れがある」と述べ、感染リスクは低いと強調する。

 中国では輸送・流通過程の消毒作業は強化されている。鉄道部門では、旅客車両で輸送する荷物は「受取時の検品、実名登録、セキュリティー機器による検査」を厳格に実施。貨物車両では特別に設計された専用コンテナに荷物を収容している。

 中国疾病管理予防センターは最近、「新型コロナウイルス流行下のデリバリー・宅配業者の健康保護ガイドライン」を発表し、食事デリバリーと宅配便業者が配送エリアの感染リスクをリアルタイムで把握するよう求めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News