民族の壁越え野良犬保護 アルバニア人とセルビア人が協力 コソボ
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■「人と人が付き合うのはごく普通のこと」
野良犬に進んで救いの手を差し伸べようとする人はいなかった。そうした中で、ホッジャさんとストヤノビッチさんは、犬好きが高じて野良犬のシェルターを設立することにした。人々を驚かせたのは、2人が民族の壁を乗り越えて協力し合っていることだ。
ホッジャさんは、「私たちのことを聞かれるのは不思議です。人と人が付き合うのはごく普通のことじゃないですか。紛争は20年も前に終わっているのですから」と笑う。
ホッジャさんは町でストヤノビッチさんとたまたま出会い、捨て犬を助けたいと互いが思っていることを知り、シェルターを設立する案を持ち掛けた。
ストヤノビッチさんは、「メントルと私は、気持ちや思っていること、動物に対する愛情が似ているのです」と語る。
シェルターの運営はもっぱら寄付金や大勢のボランティアに頼っている。資金の大半は、ワクチン接種や不妊・去勢手術の費用に充てられている。
苦労は絶えず、常に資金不足に悩まされているが、ストヤノビッチさんは、野良犬の救済活動に打ち込むことに後悔はないと言う。
「もう一度やり直すとしても、同じことをします。犬たちといると気持ちが落ち着くのです。私は四六時中、犬と一緒に過ごしています」と話した。「犬はとても愛情深いです。言葉をしゃべらないだけです」 (c)AFP/Ismet HAJDARI and David STOUT