南ア、各国の渡航制限は「不当」
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【11月27日 AFP】南アフリカの保健省は26日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染拡大を防ぐために各国が南アなどからの渡航制限を決めたことについて、「不当」かつ非科学的で世界保健機関(WHO)の勧告にも反すると批判した。
オミクロン株は、南アでの感染急拡大の要因とされており、既に香港、ベルギー、イスラエル、ボツワナでも確認されている。
ジョー・ファーラ(Joe Phaahla)南ア保健相は会見で「一部の国の対応は不当だと考えている」と述べた。
ファーラ氏は具体的な国名を挙げなかったが、英国は、南アが新変異株の検出を発表した数時間後には、他国に先駆け、アフリカ南部の国々からの航空便の乗り入れを禁止した。オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、米国も26日、英国に続いた。
欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)も同日、同様の措置を提案すると発表した。
一方、WHOは同日、オミクロン株の毒性や感染・伝播(でんぱ)性を調べるには数週間かかる可能性があるとして、現時点での渡航制限には注意を要すると呼び掛けた。
ファーラ氏は、渡航制限は「間違った対応」であり、WHOの規範や勧告に反していると主張。「世界的な問題に対処するために、一部の国の指導者がスケープゴートを探していると捉えている」と述べた。(c)AFP/Susan NJANJI