【11月26日 CNS】北京時間の11月16日午前、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、バーチャル形式でバイデン氏が就任後初の二国間会談を行った。3時間に及ぶ会談で、双方は中米関係の戦略的、全体的、根本的な問題、各々の発展アジェンダや内外の政策、そして共通の関心を持つ地域問題をめぐって幅広く意見を交わした。北京の学者は、今回の会談は複数の重要な議題で積極的なシグナルを発し、重要な時期における重要な会談となり、特に経済貿易の面で、中米関係にとって重要な指導的意義を持つと考えている。

 中国国際問題研究院の阮宗澤(Ruan Zongze)常務副院長は次のように述べた。中米元首による初めてのテレビ会談は、中米関係と国際関係における一大事だ。現在、中米関係は多くの問題に直面しており、中米両国はいずれも重要な発展段階にあり、また中米関係は世界でも多くの挑戦に遭遇している。会談のタイミングは極めて重要だと言える。中米元首がテレビ会談を通じて「すり合わせ」を行うことは、中米関係の安定と中米関係の混乱を解消するために、重要な指導的意義を持つという。

 中国人民大学(Renmin University of China)国際関係学院米国研究センターの時殷宏(Shi Yinhong)主任も、中米は最高レベルの会談を通じて、双方の立場をより明確に表現し、積極的なシグナルを発した。その最も重要な意義は、中米の高度な緊張関係の著しいエスカレートや悪化の回避を強固にすることだと考えている。

 特に注目すべきは、今回の会談で中米がマクロ経済政策の疎通を維持し、世界経済の回復を支持し、金融リスクを防ぐ必要があると言及したことだ。米国側はジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官も会談に参加し、今回の会談でマクロ経済政策の協調が中米の経済貿易議題の主要な討論内容の一つになる可能性を示唆した。

 新型コロナ感染が確認されて以来、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権からバイデン政権に至るまで、米国は先日バイデン氏が署名したばかりの1兆2000億ドル(約138兆円)規模の『インフラ投資・雇用法案』を含む4回にわたる経済救済及び景気刺激策を実施してきた。2年足らずの間に、この4回の大規模な経済支出計画は6兆ドル(約692兆円)を超え、このような破格な財政刺激策は、米国内の比較的深刻なインフレを招いた。

 最新の政府データによると、米国の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で6.2%上昇し、1990年以来の最大の年間上昇率を記録した。

 中国人民大学経済外交研究センターの李巍(Li Wei)主任は次のように指摘した。最近、エネルギー、食糧、鉱物など一部の大口商品の価格が急騰し、世界規模のインフレが現れている。このような世界的なインフレや大口商品の価格上昇による金融リスクへの対応は、米中両国が共同で行う必要がある。そのため、中国は米国に対し、より責任あるマクロ経済政策をとるよう求め、自国内のマクロ経済政策の波及効果を重視するよう求めている。自分のためだけに無責任な経済政策を展開してはならないという国際的な責任を米国側に要求したのだ。

「米中が今すべきことは、経済問題は経済に、政治問題は政治に帰することだ」。李主任は中米双方がまず「先易後難」の原則を持ち、双方の経済貿易交渉を早急に再開することによって、二国間の経済貿易関係における諸問題を逐次解決していくべきで、特に経済関係の脱安全保障化問題を議論すべきだとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News