【11月25日 AFP】ドイツの中道左派、社会民主党(SPD)など3党は24日、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)政権と交代する連立政権の樹立で合意したと発表した。SPD政権は16年ぶりとなる。

 SPDは9月の総選挙で、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)・キリスト教社会同盟(CSU)の保守連合に勝利。緑の党(Greens)、自由民主党(FDP)と連立を組み、新首相にはオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)現財務相(63)が就任する。

 新型コロナウイルスの世界的流行やベラルーシ情勢、経済回復の停滞といった問題が続く中、比較的迅速に交わされた連立合意は、ドイツの弱体化を警戒する同盟諸国から歓迎される見通し。

 ドイツは新型ウイルス流行の第4波に見舞われており、病床が逼迫(ひっぱく)し、新規感染者数が連日のように過去最多を更新する中、国内では新政権に迅速な対策を求める声が高まっている。

 4期の任期を終えて引退するメルケル首相は23日、連立交渉終盤に入った各党の党首を呼び、急速に悪化するコロナ流行の状況について協議。事態の緊急性を浮き彫りにしていた。

 ショルツ氏は、新政権では新型ウイルス対策の危機管理チームを設置すると表明。病院や介護施設の医療従事者への補助金に10億ユーロ(約1300億円)を費やすと約束した。

 3党が24日に発表した連立協定には、コロナ対策の他、石炭火力発電からの撤退を2038年から30年に前倒しする計画、憲法で定められた債務上限を23年に復活させる公約、嗜好(しこう)用大麻の合法化などの主要政策が盛り込まれた。(c)AFP/Hui Min NEO