【11月24日 CNS】グリーン店舗連盟の設立、グリーン会場の設置、グリーンエクスプレス…。中国で11月11日を中心とした国内最大のECセール「双11(ダブルイレブン)」が今年も開かれたが、例年と違って今回は「グリーン(エコロジー、省エネなどの意味)」イベントがたくさん行われた。

 中国EC最大手の淘宝(タオバオ、Taobao)のショッピングモール「天猫(Tmall)」は今年のダブルイレブンにグリーン会場を立ち上げた。これはエロコジーや低炭素をテーマにした製品を集めた天猫初のショッピングサイトだ。また、14ブランドがグリーン店舗連盟を設立し、プラットフォームと各店舗がより多様なグリーン製品を提供するよう呼びかけた。

 オンラインショッピングは実店舗を通じた販売より環境への負荷が低いとこれまで言われていたが、国民全体の消費量が増えてエネルギー消費量も多くなっている。環境保護とグリーン消費の概念が広まり、中国の消費者の間で過剰消費は環境破壊につながるという意識が浸透。中古品を下取りに出して買い替える市民が増えている。eコマース大手の京東(JD.com)がダブルイレブンで行った「携帯電話買い替ええサービスパッケージ」は開始からわずか10分間で、6月18日に行われたECセール「618商戦」に比べて10倍に増加。以旧換新(買い替え促進サービス)も注文数は20倍となった。これは、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに上昇から下降に転じ(ピークアウト)させ、2060年までに排出量を差し引きゼロにする(カーボンニュートラル)という中国政府の方針に市民が強い関心を持ち、企業も対応していることを示している。

 オンラインショッピングの急速な発展は人々に便利さをもたらしたが、宅配によって生まれる大量の空き箱や発泡スチロール、プラスチックが環境に悪影響を与えている。宅配物流情報サービスの「快递100」によると、中国の大都市では毎年増加している家庭廃棄物のうち宅配の包装廃棄物が93%を占めているという。

 今年のダブルイレブンの直前、中国宅配協会は業界全体に向けて「誰もがグリーン宅配のための責任がある」とする提案を発表。宅配会社やコンビニエンスストアなどが協力して包装の簡素化や電子リストの導入、リサイクルシステムの促進を呼びかけ、中国郵政速達や順豊エクスプレス(SF Holding)など18の参加企業が賛意を示した。

 京東は2017年に「青流計画」を立ち上げ、全国50以上の都市で新エネルギー車の利用を始めた。包装工程では使い捨てプラスチックの使用を取りやめ、再利用可能な宅配ボックスと折りたたみ式保温保冷ボックスを採用。「青流ボックス」は30以上の都市で普及し、リサイクルされている。京東が使用する3層段ボールの割合は95%を超え、毎年20万トン以上のパルプ消費を減らしているという。

 また、中国政府はダブルイレブンの前に「第14次5か年計画・電子商取引発展規則」を発表。グリーン・低炭素社会の推進にEC企業が率先して取り組むことを求めている。

「天猫ダブルイレブン」プロジェクト責任者の鄭黎清(Zheng Liqing)氏は中国メディアの取材に「ダブルイレブンでグリーン供給とグリーン消費をそれぞれ達成できた」と語った。企業が環境保護や低炭素社会の促進に取り組むことは、政府の方針を積極的に推進すると同時に、高品質な生活を求める消費者のトレンドにも準拠している。(c)CNS/JCM/AFPBB News