【11月24日 AFP】ドイツ生まれの米理論物理学者アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)が一般相対性理論の構想時に残した直筆のメモが23日、仏パリで競売に掛けられ、1160万ユーロ(約15億円)で落札された。

 アインシュタインの直筆文書では過去最高額。予想落札価格は200万〜300万ユーロ(約2億5000万〜3億8000万円)と、最終価格の4分の1程度だった。

 落札されたのは、1915年に発表された一般相対性理論の準備作業が記された54ページの文書。13~14年にスイス・チューリヒで、アインシュタインの同僚で親友だったスイス人エンジニア、ミケーレ・ベッソ(Michele Besso)と共同で記したもの。

 競売会社アギュット(Aguttes)の代理で競売を行ったクリスティーズ(Christie’s)は、「これまで競売に掛けられた中で最も価値あるアインシュタインの原稿であることに疑いはない」としている。

 クリスティーズによると、この文書はベッソが保存していたおかげで後世に残った。アインシュタインが単なる作業用の書類としか考えていなかったものを保管した可能性は低く、文書が保存されていたことは「奇跡に近い」という。

 アインシュタインの直筆文書は、2018年には神についての持論を記した手紙が280万ドル(約3億2000万円)、2017年には幸福な生活を送る秘訣(ひけつ)に関する手紙が156万ドル(約1億8000万円)で落札されている。(c)AFP