【11月20日 AFP】オーストラリア各地で20日、新型コロナウイルスのワクチン接種に対する抗議デモが行われ、シドニーで1万人、メルボルンには数千人が集まった。

 豪州では16歳以上の国民のワクチン接種率は85%近くに上っており、接種計画は順調に進んでいる。一部の職種を除いて接種は任意だが、20日に複数の主要都市で行われたデモでは接種の義務化に反対する声が上がった。

 メルボルンで行われたデモには数千人が参加し、同市を州都とするビクトリア(Victoria)州のダニエル・アンドリュース(Daniel Andrews)首相の収監を求めた。アンドリュース氏は、感染拡大期の州政府の権限強化を訴えている。

 警察によればシドニーには最大で1万人が集結し、中にはドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領に扮(ふん)してデモ参加者らに語り掛ける人の姿もあった。

 衝突の報告はなかった。デモの参加者の立場はさまざまだったが、反ワクチンや陰謀論を訴える演説や、同様の内容が書かれたプラカードが多く見られた。

 シドニーのデモには右派の連邦議会議員であるクレイグ・ケリー(Craig Kelly)氏も参加。「狂信的なカルト集団」が運営する保健当局が子どもへのワクチン接種を推し進めていると主張し、大きな歓声で迎えられた。

 豪州の人口は約2500万人で、累計感染者数は約19万5000人、死者は1933人となっている。(c)AFP