【11月19日 AFP】(更新)米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が中国の人権侵害を理由に、来年開催される北京冬季五輪の外交的ボイコットを検討していると述べたことを受け、中国外務省は19日、米国が「五輪精神」に反していると批判した。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は会見で、前日のバイデン氏の発言に対し「スポーツの政治化は五輪精神に反し、すべての国のアスリートの利益を損なう」と述べた。

 バイデン氏は18日、ホワイトハウス(White House)でカナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相と会談した際、記者団に対し、北京五輪の外交的ボイコットは「われわれが検討していることだ」と語った。

 これに先立つ15日、バイデン氏は中国の習近平(Xi Jinping)国家主席とのオンラインによる初の首脳会談に臨んだ。両首脳は安定を維持し、偶発的な衝突を防ぎたいと述べていた。

 バイデン氏は中国の人権侵害に公然と抗議するよう、米国内で圧力を受けている。特に米政府は、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)での少数民族ウイグル人弾圧について、ジェノサイド(集団殺害)に相当すると主張している。

 趙報道官は、人権侵害をめぐる批判を「事実と一致せず、全くの事実無根」と一蹴。「中国国民の目には冗談にしか映らない」と述べた。

 外交的ボイコットとは、選手が競技に参加しても、政府関係者は派遣しないことを指す。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は16日、バイデン政権が北京五輪の外交的ボイコットを近く表明すると報じていた。

 米政府関係者によると、米中首脳会談では北京五輪の外交的ボイコットの可能性への言及はなかったという。(c)AFP