【11月20日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)文物考古研究院はこのほど、同自治区ウランチャブ市涼城県の文化財保護センターと合同で実施した考古学調査で、漢代の子どもの墓128基を発掘したと明らかにした。出土した貨幣や瓦、土器から、2千年余り前の前漢時代の墓と推測される。

 墓は同県双古城村の南東約1キロの双古城遺跡付近にあり、水路工事に伴う調査で発見された。

 多くは瓦棺(がかん)葬と呼ばれる埋葬方式で、他にも甕(かめ)や罐(かん)、盆、甑(こしき、蒸し器)などの葬具も見られた。同県で大規模かつ密集した瓦棺葬が見つかったのは初めてだという。

 墓の底には平瓦1~2枚が敷かれており、四方を平瓦や陶片でふさいでいた。一部にはふさいでいないものや、頭部と足元だけをふさいだものもあった。頂部は瓦や陶片の破片で覆われ、瓦には縄文や瓦楞文(がりょうもん、波線文)が施されていた。

 フフホト博物院の武成(Wu Cheng)研究員は瓦棺葬について、珍しい特殊な埋葬方式で、子どもを埋葬するために用いたと説明。今回の発見は、同自治区岱海(だいかい)地区の墓葬形態や埋葬習慣を研究する上での貴重な実物資料であり、中国古代の子どもの埋葬制度を知る上での重要な考古学的発見だと述べた。

 発掘チームは今回、双古城遺跡でも発掘調査を実施し、平瓦や筒瓦、瓦当(がとう、軒丸瓦の先端部分)のほか、正方形や長方形のれんがなどの建築部材を見つけた。古城内ではこれまでも土器・陶器や封泥(ふうでい、書物の封印に用いた粘土)、銅印、銅鏡、魚形の銅飾品、短剣、貨幣、銅鏃(どうぞく、銅製やじり)などが出土している。今回の発掘で出土した貨幣は、主に「半両銭」や「五銖銭(ごしゅせん)」だった。(c)Xinhua News/AFPBB News