【11月19日 AFP】イスラエルのベニー・ガンツ(Benny Gantz)国防相の自宅で清掃員として雇われていた男が18日、イランとの関連が疑われるハッカー集団に協力し、スパイ行為を試みたとして起訴された。

 イスラエル司法省が公表した起訴状によると、男は同国中部ロド(Lod)在住の37歳で、4日に逮捕された。

 逮捕状によれば、男は銀行強盗などで有罪判決を5度受けて服役経験もあったことから、国防トップの自宅に雇われた経緯に疑問が持たれている。同国の治安機関シンベト(Shin Bet)の発表では、男は「機密資料」を入手しておらず、国家機密は漏えいしなかったとされている。

 起訴状では、男が協力していたハッカー集団「ブラックシャドー(Black Shadow)」はイランと関係があるとされている。

 ブラックシャドーは10月末、イスラエルのインターネットプロバイダーを標的としたサイバー攻撃を行ったと主張し、メディアの注目を集めた。男はその後の10月31日前後にメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」を通じてブラックシャドーに連絡し、ガンツ国防相の自宅から情報を入手して提供することを申し出たとされる。

 シンベトは、ブラックシャドーに接触した数日後に男を逮捕し、スパイ活動の試みは直ちに阻止したとしている。(c)AFP/Daniella Cheslow