【11月15日 AFP】リビアで長期独裁体制を敷いた故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の息子で、後継者と目されていたセイフイスラム(Seif al-Islam Kadhafi)氏(49)が14日、来月実施予定の大統領選挙に立候補を届け出た。

 セイフイスラム氏の所在はここ数か月分かっていなかった。立候補の表明で、一躍最有力候補となった。

 大統領選は来月24日に実施。リビア初の直接選挙となる。同国では2011年のカダフィ政権崩壊後、内戦状態が続いていたが、国連(UN)の主導で昨年、実施が決まった。

 セイフイスラム氏は、11年に反政府運動を弾圧した容疑で国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出しているが、選挙管理委員会は、同氏は立候補の条件をすべて満たしているとしている。

 セイフイスラム氏は動画で、イスラム教の聖典コーラン(Koran)の一節を引用し、「神の祝福がありますように」と支援者に感謝した。

 セイフイスラム氏の立候補をめぐっては、市民から否定的な声が上がっている。首都トリポリで取材に応じたある男性は「問題解決にはならず、状況をさらに複雑にするだけだ」と話し、立候補は誤りだとの考えを示した。(c)AFP/Jihad Dorgham