【11月15日 AFP】タイの首都バンコクの中心部で14日、憲法裁判所が王室改革に向けた要請を違憲と判断したことに抗議するデモが行われた。

 憲法裁は10日、王室改革を求める抗議行動の指導者3人について「立憲君主制を転覆させるものだ」とし、憲法違反との判断を下した。

 憲法裁は以前から、政治的な動機に基づいて判断していると批判されている。今回の判断をめぐっても、3人に刑事罰は科されなかったものの、すでに制限されつつある、王室改革を求める動きがさらに制約されかねないとみる向きもある。

 集会禁止を無視しショッピング街に集まった数百人のデモ隊は、「絶対君主制は望まない」「改革は転覆とは違う」などと書かれたプラカードを掲げた。

 デモの指導者タッチャポン・ゲーダム(Thatchapong Kaedam)さんは「われわれは国の転覆を図っているわけではない。王室改革は国を良くするためのものだ」と訴えた。

 現場にいたAFP記者によると、デモ隊と警官隊が一時衝突。警官隊が発射したゴム弾により、少なくとも参加者1人が胸から出血するけがをし、救急車で運ばれた。

 救急医療施設のエラワンセンター(Erawan Centre)は、少なくとも2人が負傷したとしているが、詳細は分かっていない。

 デモ隊は夕方、在バンコクのドイツ大使館まで行進。絶対君主制に戻ることへの懸念を記した書簡を手渡し、解散した。

 マハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王はドイツに頻繁に滞在していることで知られる。同国メディアは国王が今週、ドイツに向かったと報じている。(c)AFP