【11月13日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、ラスベガス・レイダース(Las Vegas Raiders)のジョン・グルーデン(Jon Gruden)元ヘッドコーチ(HC)が、リーグを相手取り訴訟を起こした。同氏は先月、過去のスキャンダルをめぐって辞任に追い込まれており、リーグが「悪意に満ちた組織的な」キャンペーンを繰り広げてキャリアを破滅させたと批判している。

 58歳のグルーデン氏は、人種差別的な表現に加えて女性蔑視と同性愛嫌悪の言葉を使用していた過去の電子メールが次々と公になり、先月11日にレイダースの指揮官を退いた。

 これらのメールは、ワシントン・フットボールチーム(Washington Football Team)と同球団の職場における不適切行為の疑惑に関するNFLの広範囲な調査の一環で発覚した。グルーデン氏は当時、テレビ解説者を務めていた。

 米ラスベガス(Las Vegas)で11日に民事訴訟を起こしたグルーデン氏の代理人弁護士は、リーグとロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナーが同氏の攻撃的な電子メールを「意図的に選択して」メディアにリークしたと主張。

 コメント文では「グルーデン氏の名声を傷つけて彼を離職に追い込むために、被告らは同氏の私信を意図的に選んで米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)とニューヨーク・タイムズ(New York Times)にリークした疑いがある」と述べられていた。

「ワシントン・フットボールチームに関するNFLの調査で収集された65万通もの電子メールの中で、グルーデン氏の電子メールだけが公表された訳や、それらのメールがレイダースのシーズン中に明らかにされるまで数か月間も伏せられていた理由の説明あるいは正当性は何もない」

 NFLの広報担当者は発表文で、グルーデン氏の訴訟に関して「全くメリットがない」とし、「これらの申し立てについて、NFLは断固として反論する所存である」と述べた。(c)AFP