【11月12日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は12日、来年2月に開幕する北京冬季五輪のスポンサー企業に対し、中国での人権侵害に声を上げなければ評判を損なうことになると警告した。

 北京五輪のスポンサーには、インテル(Intel)、オメガ(Omega)、パナソニック(Panasonic)、サムスン(Samsung)、トヨタ(Toyota)、エアビーアンドビー (Airbnb)、コカ・コーラ(Coca-Cola)、アリアンツ(Allianz)、アリババ(Alibaba、阿里巴巴)といった企業が名を連ねている。

 HRWの中国担当部長、ソフィー・リチャードソン(Sophie Richardson)氏は「北京冬季五輪の開幕まであと3か月となったが、スポンサー企業は、中国の恐るべき人権侵害に対して影響力をどのように行使しているのか、沈黙したままだ」と述べた。

 さらに「(スポンサー企業は)人権基準へのコミットメントを示す機会を逃している」とし、「それは検閲と抑圧にまみれた五輪にくみするリスクを冒すということだ」と語った。

 人権団体や中国からの亡命者は、中国政府が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でイスラム系少数民族ウイグル人を弾圧しているほか、香港とチベット自治区(Tibet Autonomous Region)でも人権を大幅に制限していると非難している。

 ギリシャで10月に行われた採火式には少数の活動家が乱入し、チベットの旗や「ジェノサイド(集団殺害)をやめよ」と書かれた幕を掲げた。

 中国は「スポーツの政治利用」だと抗議しているが、国際オリンピック委員会(IOC)は国家の問題はIOCの権限外としている。(c)AFP