「期限切れ間近の食品」が中国の若者に人気 専門ディスカウント店が次々誕生
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【11月11日 CNS】「臨期食品」と呼ばれる期限切れ間近の食品を販売することで有名な「好特売(Haotemai)」「嗨特購(HitGoo)」などの小売りディスカウントチェーンが、中国の若者の間で関心を集めている。若者の消費概念の変化に伴い、品質が変わらず割引された食品の人気が高まっている。
現在、世界では食料の約3分の1にあたる毎年約13億トンが無駄にされている。その中には、スーパーマーケットの規則に従って処分される期限切れ間近の食品も多い。 ただ、臨期食品は「賞味期限」が迫っても「消費期限」には達していない商品と考えられる。
中国ではこれまで、こうした食品を試食品に使ったり必要とする人に贈答したりすることが多かった。倹約したい高齢者が購入することもあるが、結局は処分されることが多い。上海市では2015年、食品ロスを減らすと同時に社会的弱者の食料支援につなげようと、最初のフードバンクが開設された。生産者、流通業者、スーパー、コンビニエンスストアなどから無駄になりそうな食品を集め、地域の低所得家庭に無料で配布している。
近年は若者の消費概念の変化に伴い、賞味期限間近の食品の販売を専門とする店がオンラインショップとリアル店舗の両方で次々とオープンした。オンラインショッピングサイト「淘宝(タオバオ、Taobao)」では、期限切れ間近の食品を販売する店は8000軒以上ある。
中国メディアによると、2020年前後に専門の小売り店が急増。好特売、嗨特購、甩甩売(Shuaishuaimai)などのディスカウントチェーンが次々と現れた。約1年間で中国の主要なSNSに情報が広がり、多くの若者が店を訪れるようになった。
業界関係者は「オンラインかリアル店舗かにかかわらず、主な消費者は若者であり、その割合は他の年齢層よりもはるかに高い」と説明する。メディアの調査によると、30歳未満の多くは「状況にもよるが、数日のうちに食べるものなら、間違いなく一番安いものを選ぶ」と考えている。
こうした若者向けの店は輸入品が多い。ある「好特売」の店員は「店内の商品の約7割は輸入品です」と話す。復旦大学(Fudan University)の林一凡(Lin Yifan)客員教授は「輸入食品は中間利益が比較的高く、一定の価格交渉ができるため、輸入品が選ばれやすい傾向がある」と説明した。
産業調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表したリポートによると、中国の消費者が期限切れ間近の食品を購入する主な理由は、低価格と高いコストパフォーマンスだ。「好特売」の店内では商品のほとんどが二線級・三線級のブランドだが、エビアン(Evian)のような有名ブランドもある。これら有名ブランド商品の大半は期限切れまで半年未満で、価格は通常の半分以下。一部の小さいブランドの輸入商品は元の価格の20〜30%という値段で販売している。(c)CNS/JCM/AFPBB News