【11月11日 AFP】米当局は10日、乗車に時間がかかる障害者の利用客に「待機料金」を課すことは市民権保護に違反するとして、配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)を提訴した。

 ウーバーは運転手を指定場所で2分以上待たせた場合に追加料金を徴収しているが、司法省は障害者にこれを課すことは差別で「障害のあるアメリカ人法(ADA)」に反すると指摘した。

 クリステン・クラーク(Kristen Clarke)司法次官補は声明で「今回の訴訟は、ウーバーにコンプライアンスを順守させるものであると同時に(中略)乗車に時間を要するというだけで障害のある乗客にペナルティーを科すことはできないと強いメッセージを送るものでもある」と説明した。

 ウーバーは、この問題について当局と協議してきたにもかかわらず提訴されたことに「驚き失望した」と述べた。

 さらに、待機料金は返金済みで、先週からは障害者であることを証明すれば待機料金が自動的に免除されるようにしたと説明した。

 司法省は、車椅子利用者が車椅子をたたんで車内に積んだり、視覚障害者が安全に乗車したりするには時間を要すると指摘し、ウーバーが待機料金制度を「合理的に」修正しなかったと述べた。

 司法省はカリフォルニア州の連邦地裁に提訴し、違反の是正、スタッフやドライバーに対するADA講習、待機料金を請求された被害者への損害賠償、民事制裁金の支払いを命じるよう求めている。(c)AFP