【11月11日 AFP】中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は11日、アジア太平洋地域を東西冷戦(Cold War)時代の緊張状態に戻してはならないと警告し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)からの復興や気候変動対策での協力強化を訴えた。

 台湾をめぐって高まっていた米中間の緊張が、気候変動対策の強化に向けた共同計画の電撃発表で幾分和らぐ中、習氏はアジア太平洋地域のすべての国が協力して共通の課題に取り組むべきだと主張した。

 習氏はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のサイドイベントにオンライン参加し、「イデオロギーに基づき線を引いたり、地政学的な理由で小さなサークルを形成したりする試みは必ず失敗する」と述べた。「アジア太平洋地域が冷戦時代の対立と分裂の状態に逆戻りすることがあってはならない」

 また、「ワクチンは世界の公共財であるというコンセンサスを実行に移し、ワクチンの公正かつ公平な分配を確かなものとすべきだ」として、世界のワクチン接種格差を縮小し発展途上国がワクチンを入手しやすくするために協力を呼び掛けた。

 習氏は「パンデミックの影から抜け出し、着実な経済回復を早期に実現するために」ワクチンの研究や生産、治験、相互承認で各国が協力を強化する必要があると語った。(c)AFP/Neil SANDS