【11月9日 AFP】台湾の国防部(国防省)は9日、隔年で発表している報告書の最新版を公表し、中国には、台湾の主要な港と空港を封鎖し運輸網を遮断する能力があると警戒を示した。中台間の緊張は、ここ数十年で最も高まっている。

 同部は今回の報告書で、中国が陸海空における台湾への攻撃能力を強化しており、これには台湾の「重要な港湾、空港、国際空路を封鎖し、空と海の通信ラインを遮断する」能力も含まれると指摘した。

 さらに、中国は弾道・巡行ミサイルなど、ミサイル兵器で台湾全土を攻撃する能力を有するとともに、水陸両用作戦を展開する能力も増強していると警告した。

 台湾の国防部長(国防相)は先月、中国軍機による台湾の防空識別圏(ADIZ)への進入数が過去最多となっており、中国との軍事的緊張がここ40年で最も高まっていると危機感を示していた。

 台湾の防空識別圏には領空外の広い範囲が含まれ、中国が設定する同圏と一部重なっている。

 今回の報告書では、軍用機の進入といった「グレーゾーンの脅威」に加え、サイバー攻撃などの軍事的手段が頻繁に用いられていることについて、中国が「戦わずして台湾を掌握する」ことを目標にしているとの見解も示された。(c)AFP