【11月11日 CNS】中国で会員制大型スーパーの時代が到来している。フランスのスーパーマーケットチェーン・カルフール(Carrefour)中国は先月15日、会員制スーパー1号店をオープン。同時に、今後3年間で現在の200店舗のうち100店舗を会員制店舗にリニューアルする計画を発表した。9月26日には米ウォルマート(Walmart)が会員制スーパー「サムズクラブ(Sam's Club)」の旗艦店を上海市にオープンし、多くの買い物客が詰めかけた。

 会員制大型スーパーは以前からあったが、昨年から突然人気が上がり、大手が相次ぐ参入するようになった。ドイツのメトロ(Metro AG)、米国のコストコ(Costco)、IT大手阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)系列のスーパー盒馬鮮生(Hema Xiansheng)、同じくIT大手騰訊(テンセント、Tencent)系列の永輝超市(Yonghui Superstores)も参入している。

 北京市亦庄(Yizhuang)地区のサムズクラブで買い物をしていた孫(Sun)さんは「会員制大型スーパーが大好きです。会費がかかるけど商品の値段が安く、限定商品もたくさんある。返品・交換も便利ですね」と魅力を語る。

 中国で会員制大型スーパーが登場したのは25年前にさかのぼる。1996年、深セン市(Shenzhen)福田区(Futian)にサムズクラブ1号店がオープン。サムズクラブは今年9月時点で34店舗を数える。

 サムズクラブの長年のライバル・コストコは2019年に中国に進出。上海に1号店がオープンした時、買い物客が殺到して入場制限を行うほどの人気で、会員制スーパーのブームに火を付けた。

 サムズクラブは2022年末までに40~45店舗をオープンする計画。コストコは上海市、蘇州市(Suzhou)、杭州市(Hangzhou)、深セン市、広州市(Guangzhou)、南京市(Nanjing)の6都市で7つのプロジェクトを展開している。

 2020年10月1日、「盒馬 X会員店」がオープンし、中国ブランドが会員制スーパー業界に初登場した。侯毅(Hou Yi)会長は「2021年中に会員店を10店舗オープンする」と発表している。2020年には「メトロPlus」が中国25都市で営業を始め、カルフール、永輝、華聯超市(Hualian Supermarket)などのスーパーマーケットチェーンも相次いで参入した。信用調査会社の天眼査(Tianyancha)によると、中国の会員制スーパー業界は2万6000社近い関連企業があるという。

 会員制大型スーパーの顧客層は、一定の購買力を持ち、生活の質を追求する大都市の中流階層だ。「会員価格」を売り物にすることで、消費者を引きつけリピーターを増やしている。

 消費者が払う会費もスーパーの重要な収入源になっている。サムズクラブの中国での会員数は300万人を超え、会員カードの更新率は80%を超えている。会費だけで年間収入は7億8000万元(約137億9453万円)以上をもたらした。コストコ1号店はわずか37日で20万人の会員を獲得し、会費収入は約6000万元(約10億6112万円)に上る。メトロPlusは現在200万人近くの有料会員がおり、小売り収入の60%以上が有料会員によるものだ。会員制大型スーパーの隆盛は、中国の中・高所得層の消費力が向上していることを反映している。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News