【11月9日 AFP】インドで最も神聖な川の一つで、首都ニューデリーの中心部を流れるヤムナ(Yamuna)川が8日、汚染により生じた有害な泡に覆われた。ニューデリーは濃いスモッグにも見舞われており、住民は二重苦にさらされている。

 ヤムナ川はすでに汚染度が国内最高水準になっていたが、この日は川の一部が積雪のような白い泡で覆われた。市当局は、上流から先週流れ込んだ「大量の下水と産業廃棄物」が原因だとしている。だが川では、4日間にわたり太陽に祈りをささげる祭典「チャートプジャ(Chhath Puja)」の一環で沐浴(もくよく)をするヒンズー教徒の姿がみられた。

 地元当局によると、汚染によって市内の一部地域では水の供給に支障が出た。影響を受けた世帯の数は明らかにされていない。

 インド政府はヤムナ川の浄化を約束してきたが、今も実現しておらず、有害な泡の発生は毎年みられる現象となった。

 ニューデリーとその周辺は、先週から濃い有害なスモッグに覆われている。汚染悪化を防ぐために花火の販売が禁止されたが、市民はヒンズー教最大の祭典「ディワリ(Diwali)」を記念して大量の花火を使用。近隣農村での焼き畑も要因となり、大気汚染が深刻化している。(c)AFP