【11月8日 AFP】中国の砂漠に、実物大の米軍艦をかたどった図形があることが、米宇宙技術会社マクサー・テクノロジーズ(Maxar Technologies)が7日に公開した衛星画像で明らかになった。太平洋に派遣されている軍艦の中でも特に強力な部隊に対する攻撃訓練の標的として使用されている可能性がある。

 巨大空母を中心とした米海軍の空母打撃群は、米軍トップの攻撃力を誇る。このうちの一つは、台湾や南シナ海(South China Sea)など主な係争地を監視している第7艦隊に所属する。

 中国は長年、対艦ミサイルの開発を行っており、中には空母の無力化を目指すものもある。

 マクサー・テクノロジーズが先月撮影し、7日にAFPに提供した衛星画像には、中国西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)のタクラマカン砂漠(Taklamakan Desert)に、米海軍艦をかたどった図形などが写っている。

 米海軍協会(USNI)の報告によると、過去の衛星画像の分析から、「空母形の標的は2019年3~4月に設置された」後に、「同年12月にはいったん大部分が解体されたものの、今年9月下旬に復元され、10月初旬におおむね完成した」ことが分かるという。

 同協会は、同域が過去に弾道ミサイルの実験に使われたことがあるという、情報分析企業オールリソース・アナリシス(AllSource Analysis)からの情報にも言及している。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は8日、この衛星画像について質問を受け、「状況を把握していない」と答えた。(c)AFP