イラク首相「暗殺未遂」 総選挙結果めぐり緊張高まる
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【11月8日 AFP】イラクの首都バグダッドにあるムスタファ・カディミ(Mustafa al-Kadhemi)首相(54)の自宅が7日未明、爆発物を積んだ無人機に攻撃された事件を受け、先月の総選挙以来混乱が続く国内の緊張がさらに高まっている。
攻撃をめぐっては、これまでのところ犯行声明は出されていない。
カディミ氏は国民に「冷静さと自制」を保つよう呼び掛けた。同氏の住居は厳重な警備が敷かれるグリーンゾーン(Green Zone)にある。
治安筋によると、チグリス川(Tigris River)に架かる橋の近くから無人機3機が飛び立ち、うち2機は撃墜された。警備員2人が負傷した。
無人機による攻撃後、グリーンゾーンでは銃声が響き、煙が上がった。首相府は「暗殺未遂」だったとしている。
米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は「イラクの民主的プロセスを暴力を使って弱体化させようとする者を最も強い言葉で」非難すると述べた。
イラク首相府が公開した写真には、破壊された外階段の下にがれきが散乱し、ドアが外れた様子が写っている。
カディミ氏はビデオ声明で「自宅が卑劣な攻撃の標的となった。神に感謝する。私は無事だ」と語った。
先月10日に行われた総選挙の暫定結果では、親イラン民兵組織の連合体「人民動員隊(PMF)」を母体とする第2党の「征服連合(Fatah)」が議席を大幅に減らした。支持者は選挙に不正があったと主張。5日にはグリーンゾーン付近で選挙結果に抗議するデモが行われ、征服連合の支持者らが治安部隊と衝突した。(c)AFP