【11月6日 AFP】米連邦裁判所は5日、国家ぐるみとみられる経済スパイ活動で米仏の航空宇宙企業から技術を盗もうとした罪などに問われている中国の情報機関職員に対し、有罪判決を言い渡した。米司法省が発表した。

 中国国家安全省の江蘇(Jiangsu)省対外情報局の職員・徐延軍(Xu Yanjun)被告は、経済スパイ行為を共謀・企図した2件の罪と企業秘密の窃盗に関する3件の罪により、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)の裁判所から有罪判決を受けた。

 経済スパイに当たる行為については罪状1件に付き最長15年の禁錮刑と最高500万ドル(約5億7000万円)の罰金、その他の罪状についてはそれぞれ最長10年の禁錮刑が科される可能性がある。

 この事件では、シンシナティに本社を置く世界有数の航空エンジンメーカー・GEアビエーション(GE Aviation)と、エンジン開発で同社と提携する仏航空宇宙大手サフラン(Safran)から技術を盗む目的で企図された5年がかりの計画に関与したとして、2018年10月に情報当局者2人を含む中国人11人が起訴されている。

 米司法省は声明で、中国の国益のために徐被告は世界のどの企業にもまねできないGEアビエーション独自のエンジン技術を盗もうとしたと非難。さまざまな偽名を使いながら「各社で働く専門家を特定し、中国への渡航を勧誘した」と指摘した。(c)AFP