【5月8日 AFP】中国の電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)がベルギーに建設中の巨大な物流拠点について、ベルギー当局は、中国の情報機関に利用される恐れがあると懸念している。

 ベルギーのリエージュ空港(Liege Airport)に隣接して建設中の物流センターは、アリババの世界の物流網の一角として、西欧全域をカバーする。

 リエージュを含む南部ワロン(Wallonia)地域の当局者らは、経済的な利益につながるとして歓迎しているが、中国との外交関係の緊張が高まる中、連邦政府当局は懸念を抱いている。

 フィンセント・ファンクイッケンボルヌ(Vincent Van Quickenborne)司法相は今週、中国は法律でアリババを含むすべての民間企業に国の情報機関に協力することを義務付けていると議会で述べた。

 同氏は議会委員会からの質問に答える形で、「アリババのような企業は、情報機関の工作員のためのポストを社内に用意することが求められている」と発言。「実際問題として、空港の機密エリアや保安エリア、あるいはアリババが保有する商用データや個人データにアクセスできる可能性がある」と警告した。

 さらに、ファンクイッケンボルヌ氏によると、ベルギーの情報機関である国家保安庁は、中国が経済力を政治的影響力として利用する危険性を警告しているという。(c)AFP