【11月19日 AFP】上空から見た世界最大の熱帯雨林・アマゾン(Amazon)には、無限の深緑が広がっている。あらゆるところで生命がいぶく大地を時に断ち切るのは、青々と蛇行する川だけだ。

 だが、アマゾンの端に向かって飛ぶと、赤茶けた巨大な傷痕のような光景に出くわす。道路や金鉱、作物栽培、あるいは牛の牧場のために密林が切り開かれ、焼かれたのだ。

 各種の研究によるとアマゾン熱帯雨林には、サバンナ状態に至るほど乾燥し、3900億本の樹木が一斉に枯死するような「臨界点」が迫っている。

 自然への深い畏敬の念を伝統としてきた先住民は、森林の最良の守り手だが、先住民が住む土地にも金の違法採掘業者が暴力的に侵入し、甚大な被害を与えている。

 ブラジル北西部の先住民シャネナワ(Shanenawa)の首長、エルド・ シャネナワ(Eldo Shanenawa)さん(42)は、変貌しつつあるアマゾンを目の当たりにして「太陽は熱くなり、川は干上がり、動物が消えている。いろいろなものが崩れつつある」と語った。

 ブラジルの大気科学者ルシアーナ・ガッティ(Luciana Gatti)氏は「(気候変動に関する)予測は最悪なのに皆、楽観的すぎる。(中略)ホラーショーのような事態が目前に迫っているのに」と語る。「私たちはアマゾンを殺している」 (c)AFP