【11月4日 AFP】台湾を訪問している欧州連合(EU)欧州議会(European Parliament)の代表団は4日、台湾の民主主義は守るべき「宝」だと述べ、中国と台湾の緊張が近年で最も高まる中で、台湾への支持を表明した。

 中国からの反発をよそに、一行は欧州議会から台湾への初の「公式」代表団と形容されている。代表団を率いるフランス選出のラファエル・グリュックスマン(Raphael Glucksmann)議員は、中国を公然と批判しており、今年3月に中国政府から制裁対象に指定された5議員のうちの一人だ。

 代表団は4日、蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と面会。その際グリュックスマン氏は、台湾の民主主義は「世界中の全ての民主主義者が大切にし、守るべき宝だ」と語り、「われわれはごく単純明快なメッセージを携えてここに来た──あなた方は孤独ではない、ということだ」と述べた。

 さらに同氏は「欧州はあなた方と共にある…自由と法の支配、そして人間の尊厳を守るために」と述べ、EUに対し、台湾との協力強化を呼び掛けた。

 蔡総統は同日、代表団への謝意をツイッター(Twitter)に投稿。EUと台湾の「パートナーシップにより、共通の脅威への対策をさらに強化し、共有する民主主義的価値観を守っていくことができるだろう」と期待を示した。

 一方、中国外務省は代表団の訪台について「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。

 ある同省関係者は、欧州議会は「台湾問題の複雑さとデリケートさを十分に理解し、EUが支持する一つの中国の原則に準拠し、中国・EU関係の発展に向けた政治上の前提を守るべきだ」と指摘した。(c)AFP