【11月4日 AFP】世界保健機関(WHO)は3日、インド製新型コロナウイルスワクチン「コバクシン(Covaxin)」の緊急使用を承認した。貧困国へのワクチン供給増加が期待される。

 インド製薬会社バーラト・バイオテック(Bharat Biotech)とインド医学研究評議会(ICMR)が共同開発した同ワクチンは、1か月間隔で2回接種するタイプで、78%の発症予防効果が確認されている。管理が容易であるため、WHOは「低・中所得国に最適」だと説明。インド国内で開発・製造された純国産ワクチンがWHOの承認を受けるのは初めて。

 主要コロナワクチンとなったファイザー(Pfizer)製やモデルナ(Moderna)製ではメッセンジャーRNA(mRNA)技術が用いられたが、コバクシンは従来型の「不活化」技術を使用。不活化ワクチンはポリオやインフルエンザ、狂犬病などの感染病に対し、数十年前から使用されている。

 氷点下の温度で保存する必要があるmRNAワクチンに対し、不活化ワクチンは保存が容易であることが大きな利点となる。バーラト・バイオテックのサイトによると、コバクシンは2~8度で保管が可能とされる。

 インドでは、コバクシンの接種が全接種回数の約11%にあたる1億2120万回行われている。インドは今年初め、第3相臨床試験(治験)の完了を待たずにコバクシンを「緊急承認」していた。医師をはじめとする医療従事者からはデータ不足との批判が出たが、バーラト・バイオテックとインドの医薬品規制当局は安全性の高さを主張している。(c)AFP